2025/07/11 02:26




1年間の制作休止を経て、ようやく「これを届けたい」と思えるアイテムが完成しました。

それが、宝石ポーチです。


私にとってこのポーチは、ただの作品ではなく、“原点に立ち返った証”でもあります。

時間をかけて自分と向き合い、好きなこと・やりたいことを見つめ直した末にたどり着いた、小さな宝物です。




ブランド「IL TESORO」は、息子の誕生をきっかけに始まりました。

海外で子育てをする私が本当に欲しかったもの――

名前刺繍入りのスタイや、ベビー甚平、お食い初め用の袴などを、1つひとつ丁寧に手作りしていました。


でも、気がつけば少しずつジャンルが増え、やがてヘアバンドやシュシュなども展開するように。

その裏には、「あれも作りたい、これも試したい」という私の好奇心がありました。

でも同時に、ブランドとしての方向性が見えなくなっていく不安も、どこかで感じていたのです。




そんなタイミングで、息子の“イヤイヤ期”がやってきました。

思うように時間が取れず、ミシンの前に座る余裕もない毎日。

「本当にこのままでいいのかな」

そんな気持ちが少しずつ大きくなり、思い切って制作を一度休止することを決めました。




制作をお休みしていた1年間、私は息子と一緒に美術館を巡ったり、街のカフェで過ごしたりしながら、自分の心に問い続けました。


「私は本当は、何を作りたいんだろう?」

「“売れるもの”じゃなくて、“私が持ちたいと思えるもの”ってなんだろう?」


たくさんの思考の末に出た答えは、こうでした。


“海外在住ママ”ではなく、いちデザイナーとして、私自身がときめけるものを形にしたい。

それが、「IL TESORO」の新しいスタートの軸になりました。


(後編へつづく)