2025/07/11 02:29

新しいスタートにふさわしい布との出会いは、4年ぶりの一時帰国中のことでした。
布の問屋街で、私はひと目で心を奪われる布に出会ったのです。
黒地にふわっとした毛足があり、シンプルだけれどどこかモード。
「これでポーチを作ったら、持っているだけでおしゃれに見える」
そんな確信と共に、久しぶりにミシンに向かう日々が始まりました。
これまで使用してきた材料は、日本や中国、インドなどから仕入れたものでした。
けれどずっと、「私はミラノに住んでいるのに、なぜ他の国から仕入れているんだろう?」と感じていました。
イタリアには、美しいもの、洗練されたものが溢れています。
特に私が大好きなのは、ミラノのナヴィリオ運河沿いで開催されるアンティークマーケット。
そこで出会う一点物のアンティークボタンは、まるで宝探しのよう。
その“偶然の出会い”を、作品に閉じ込めて誰かに届けたい。
そんな想いが、宝石ポーチシリーズのきっかけとなりました。
完成したポーチは、12cm四方の小さめサイズ。
私が普段使っているショルダーバッグ3つ、すべてにきちんと収まる大きさに設計しています。
リップクリーム、グロス、手鏡など、必要最低限のアイテムが無理なく入るサイズ感。
「今日は小さめバッグだから、ポーチはあきらめよう」
そんな日をなくしたくて、あえてこのサイズにこだわりました。
仕上げには、ミラノで出会ったアンティークボタンを1つひとつ手作業で縫い付けています。
このポーチが、日々の暮らしの中に小さな輝きを添え、
手に取ってくださる方の心を、そっと晴れやかにしてくれたら嬉しいです。
ほんの少し、自分を大切にする時間。
そのきっかけになれたら、それ以上の幸せはありません。